────天城櫻緋姫。

遠い昔、それはそれはとても美しい姫がいた。その姫に吸血鬼が一目惚れし、波乱万丈、運命のような恋の末、その姫と吸血鬼の間に生まれた、人と吸血鬼のハーフ。

ある日、緋姫が小さな怪我をして、指から血が流れた。子供が血を舐めると、たちまち゛本物゛の吸血鬼となり、強大な力が宿った。


それから吸血鬼たちは強力な姫の血を求め、姫を襲うようになった。姫はこのままでは家族に被害が及んでしまう。
そうなってはいけないと夫の吸血鬼に全てを捧げると言い、愛する夫の中で生きることを選び、全ての血を捧げ生涯を終えた。


その姫こそが天城櫻緋姫。そして夫の吸血鬼は莫大な力を得て、強い吸血鬼たちを作り一族を築き上げ、すべての吸血鬼を統べる存在となった。




その一族が結城一族。そして祭莉は結城一族に力を与えた天城櫻緋姫の末裔────