朔夜の表情から察したらしく祭莉を後ろから抱き、首筋を朔夜に見せつけるように舐める。



「んん⋯!」



頬を赤らめ涙を流してる祭莉を見て朔夜は更に怒ったように低い声で言う。



「玲⋯。いい加減にしろよ⋯?祭莉を離せ。」



「断る。俺はこいつが気に入ったからな。祭莉って言うのか。」



「私は無理⋯ですっ!」



話をしていて油断していたのか彼を簡単に押し退けられ、朔夜の方に駆け寄る。



「祭莉っ!」



震える祭莉をそっと優しく抱きしめ、頭を撫でる。



「ふん。逃がしたか⋯。俺は玲だ。覚えておけよ⋯?また、会いに行ってやる。」

そう言って歩いていく玲。朔夜は玲を睨んだまま震える祭莉を抱きしめ続けた。