────どんッ



「きゃっ」

「うおっ」


誰かから、後ろを押されたみたい。
よかった、飲み物もポップコーンも無事だ。



「あの、すみません。大丈夫ですか?」



そう言って振り返る。
相手は若い男の人だった。
ちょっとチャラチャラしてそう。


「俺こそごめんね〜後からぶつかっちゃって。怪我ない?」



「はい、大丈夫です。
それじゃああたしはこれで。」


相手も大丈夫みたいだし、早く戻ろう。





「あぁー、ちょっと待って。
ぶつかったの俺のせいだし、なにかお詫びさせて?ご飯でもどう?」



うわー、漫画とかでよくあるやつー(棒読み)
ほんとにあるんだそういうのー(棒読み)



「いや、友達待たせてるんで。
ほんとに大丈夫ですから。」


めんどくさいし、早く退散したいのですが!?!!???!!



「友達って女の子?いいよ、その子も連れておいで!!」



いや、あの
男なんですが…



「ほんっとに、大丈夫なんで!!
もう、怪我とかしてないしピンピンしてますんではい!!!」




「怪我してないなら、遊べるねっ!!
どこ行きたい?どこでも好きなとこ連れていくよ!!」

そう言ってあたしの腕を掴んでくる。

え、力強いんだけど!?
「い、痛いっ…」
何こいつら、頭沸いてんの?


「いい加減しつこ…」
ぐいっ!!!


肩を抱かれた。