ぱくっと勢いよくアイスに齧りついた私を見て、土屋は喉を鳴らした。


「鼻、ついてんぞ」

「えっ、嘘っ」

「嘘」


べ、と舌を出す土屋に、私の調子は狂わされっぱなし。なのに、そんな仕草一つひとつにドキドキしてる。

あぁもう、これだから恋ってやつは。


「キャラメルも美味しいね」

「だろ?」

「今度またキャラメル食べてみるよ」

「おー」


それから後は、沙美達と4人で街をブラブラ。

ついでに夜ご飯を食べたり、プリクラ撮ったり。

何気ない日常の一コマ。穏やかな毎日が続いていけばいいって、呑気にそんなことを考えていた。




毎朝恒例の説教を浴びた後、朝のホームルームで担任によって手渡されたのは、志望校記入欄がでかでかと書かれたプリント。


「初めてじゃないし、書き方とかわかるよなー。希望が変わってても変わってなくても、ちゃんと書いて提出してくれ」