「それじゃあ、気をつけて遊ぶんだよ」 バイバイと手を振るその人に、そっと手を振り返す。 遠ざかっていく後ろ姿をぼんやり眺めていると、なぜだか無性に寂しくなった。 一人ぼっちで家の前に立っていることが、なんだか妙に虚しく感じた。 「まっ…」 堪らず声を上げて足を踏み出した拍子に、手にしていたボールが滑り落ちて転がった。 「あっ…!」 慌ててボールを追いかけて駆け出すと、その声に女性が振り返るのが横目に見えた。