美味しそうにシュークリームを頬張る慎也の憎たらしい横顔を、皐月が凶悪な目つきで睨みつける。


「大体あんたはね…!」


慎也の顔を指差して口を開きかけた時、サッと目の前にかざされた手の平に思わず言葉を飲み込んだ。


「どうやらお前はお説教がしたいらしいから、その前に一つ」


もったいぶったその言い方がまたしゃくにさわるが、皐月はなんとか耐えて次の言葉を待つ。


「鼻にクリームつけたまま説教されても、面白いだけだからやめてくれ」