どうして、澤木さんが謝ったのか、私は理解できなかった。



「どうして、澤木さんが謝るの?

澤木さんは何も悪いことしてないよ」


「だけど、私の……私のせいなんです!

元木さんが、井上先輩に押されてしまったのは、私のせいなんですっっ………」


「…どういうこと?」



私の問いかけに、澤木さんは答えず、「ごめんなさい、ごめんなさい」と泣きながら謝る。



「まり、ちょっと落ち着いて。


一旦、外の空気でも吸ってこいよ」



と、林田が言う。



「うん……」



澤木さんはそう言うと、病室から出て行った。