「意識はまだ戻っていない…。


だけど、とりあえず、命に別状はないようだ」


「そっか……」




意識が戻っていないのは心配だけど、命に別状がないという言葉を聞いて、私はほっとした。



「…井上君は?」



恐る恐る、私は聞いてみた。



雪の背中を押した井上君のことが、気になったからだ。



「井上先輩は、今警察で事情聴取されています…」


「そうなんだ…」



彼には、一体どんな罰が下るのだろう。

一応、まだ高校生だし、あまり重い罪に問われたりはしないんだろうか…。



「ごめんなさいっ…」



澤木さんが謝った。