私は、全身に入った力が、一気に抜けてしまった。



なんだ…妹だったんだ…。


そういえば、林田の家は母子家庭だった。


きっと、二人の両親は離婚していて、林田は母親のところ、澤木さんは父親のところなのだろう。


だから、名字が違うけど、兄妹なんだ。



私ってば勘違いして、てっきり林田は澤木さんのことが好きなのかと…。



だから、澤木さんが井上君にフラれたときも、林田は澤木さんを慰めたり、

二人はお互いに下の名前で呼び合っていたりしたわけだ……。




おまじないが効かなかったのも頷ける。


だって、二人は兄妹で、付き合ったり結婚することはできないのだから、澤木さんに林田を奪われるわけがないのだ。



なんだ、そういうこと……。



私が今まで取り越し苦労だったってわけ…………。




「なぁんだ…」