オマジナイ

それからしばらくして、林田は起きた。



「ん・・・」


「おはよう」


「おはよ・・・、ふぁあ~」




林田は大きくあくびをした。


なんか、子供みたい。




時計を見ると、もう3時だった。




「そうだ、昨日ケーキ買ってきたんだ。


持ってくるよ」


「うん」




林田は、下に降りて、ケーキを取りに行った。


林田が部屋からいなくなると、「はぁ・・・」と私はまたため息をついた。




カッターナイフで指切ろうとしたの、バレてないよね・・・。


ていうか、冷静に考えたら、いくら熟睡してるとはいえ、刃物で指を切られたら、

痛みで起きちゃうよね・・・。




はぁ、よかった、思い止まって。


せっかくおまじないで付き合えたのに、林田に嫌われてしまったら意味がない。




私は、すっかり傷のふさがった自分の左手の薬指を見て、思った。