オマジナイ

「数学だったよな、苦手なの」

「うん。

もう無理」

「無理って・・・諦めるの早すぎだろ」




林田は呆れたように笑った。




「だって、わからないもの」


「はいはい、ちゃんとわかるように教えてやろう」


「本当にできるの?

なんか不安になってきた」


「おいおい」




林田の教え方は意外とわかりやすく、

単純な問題は解けるようになったが、

発展問題はなかなか林田に教えてもらっても、解くのは難しかった。



「あー、なんか眠くなってきた・・・」



と林田。




「寝てもいいよ。

その間、この問題考えとく」



と私は林田に言った。




「じゃあ・・・お言葉に甘えて」




そういうと、ひとつ大きなあくびをしてから、林田は顔を伏せて寝た。