「あっ・・・」




そこには、私達と同じ学校の制服を身に纏ったカップルがいて、


二人は寄り添い、キスをしていた。



よく見ると、それは井上君とその彼女だった。




呆然と立ち尽くす雪の肩に、私は手をのせ、




「ほら、諦めなって。

今は無理だよ」




と言った。




しかし、雪は、




「諦めない・・・」




と小さな声で言った。




「絶対に諦めない。


井上君が完全に他の誰かのモノになる前に、

絶対に私のモノにしてみせる」



はっきりとそう言った雪は、私を置いて、走り出してしまった。




ちょっと・・・まじなわけ?


敵うわけないじゃん・・・あんなにラブラブなのに・・・。