オマジナイ

澤木さんは去っていった。




「な、まりって面白いやつだろ」


「うん、そだね」




と私は笑ったが、心では全然笑えなかった。


私を置いてけぼりにして、澤木さんとばっかり喋って・・・。




どうして、林田の彼女は私なのに・・・。


どうして・・・。




悲しくて、悔しくて、スカートをぎゅっと握る。


その時、スカートのポケットのあたりから、カサッと紙のようなものの感触があった。



これは・・・昼休みに夢からもらったおまじないのメモだ。



雪に押し付けられたのを、すっかり忘れていた。