オマジナイ

林田が澤木さんのことを楽しそうに語るたび、胸が締め付けられる。



澤木さんのことは『まり』と呼ぶのに、

私は『竹下』・・・。


林田の恋人は、私なのに・・・。




そうこうしいてるうちに30分が経ち、ようやくクレープを注文するところまできた。


メニューに載っているクレープはどれも美味しそうで、迷う。



「悩むなぁ・・・。

チョコレートアイスクレープと、イチゴスペシャルクレープ・・・どっちにしよう」


「どっちが食べたいんだ?」



と林田が聞く。


「どっちも!」



私がそう答えると、林田は笑った。




「欲張りだな」