オマジナイ

「どうしたらいいのっ…」



私は、病院の出口の前で、思わず泣いてしまった。



「竹下…先輩?」


私の名前を呼ぶ声がする。

顔をあげてみると、そこには林田の妹…澤木さんがいた。



「澤木さん…」

「竹下先輩、どうしたんですか。

こんなところで泣いて…。


あっ、そういえば元木さん、意識が戻ったそうですね!

よかった…安心しました。


私、ずっとずっと心配で……私のせいで死んじゃったらどうしようとか、毎日悩んでいて」


「うん…」


「…竹下先輩は、どうしてそんなに悲しそうなんですか?」


「それは……」



澤木さんに言われ、言葉が詰まる。



澤木さんの兄、林田と今付き合えているのはおまじないのお陰だ。

そのせいで雪と揉めてしまった。


しかし、そんなこと澤木さんに言えない。