オマジナイ

そうして、私は残された期間を、林田の彼女として過ごしていた。


ある日のことだった。



携帯から、着信が来ていた。


誰だろう?

普通に友達なら、ラインの電話で連絡してくるはずだが...。



「もしもし」

『 もしもし、未来ちゃん!?』



携帯の向こうから聞こえてきたのは、中年くらいの女性の声だった。



『 私、雪のとこのおばさんなんだけどね...。


雪が、目を覚ましたわ!』

「雪が!?」



井上君に突き飛ばされ、車に轢かれた雪がようやく目を覚ましたと聞き、

私は信じられない気持ちと、言葉に表せないほどの喜びで、胸がいっぱいになった。