オマジナイ

林田にそう言われ、辺りを見渡してみたが、特にこれといった目立つものはない。


「えっ、ここ?」

「そう、ここ」



「でも、何もな...」



私が言いかけると、林田は上を指さした。



「上?」



「そう、上」



私は林田が指さしたほう、上を見てみる。



「わぁ...!」



そこには、鮮やかな虹が架かっていた。

今までに見たことのないような、大きく、とてもくっきりとした虹。



「キレイ...」




どうして、こんなにキレイに見えるんだろう。


そんな私の疑問に林田が気づいたのか、



「昔、父さんに教えてもらったんだ。

ここは建物が少なくて、気温とか湿度とか...虹がキレイに見える条件が良いんだって。

俺はそういうこと、よくわかんねーけど」



と説明してくれた。



「そうなんだ...」