「元ちゃーん!」



愛陽さんは卒業生に囲まれてる喜多見に抱き着きに行き、熱い抱擁。

喜多見は笑いながら、愛陽さんの隠れた嫉妬心を見透かしたように頭を撫でた。

出産後、この日の為と言わんばかりにダイエットした愛陽さんは、綺麗さが半端ない。

スタイルはモデルのよう。

喜多見狙いの子たちも、うっとりするような、映画のような光景。

愛陽さんの祖父であるお祖父さんが呆れる中、口付けを交わした2人。



「私たちも、何年経ってもあんな風にキスしてたいね」



人前でとは言わない。

口に愛を出さなくても良い。

でも、心と心が固い絆で結ばれて。

何年経っても、翔希に恋して、愛されて居たい。



「あー!元ちゃん、真似してんで!」



「2人のように、ディープはしませーん!」



目が合い、一瞬だけのキスを愛陽さんに見られてしまった。

しかし、私は愛陽さんと喜多見に舌を出して笑った。




「明日から、よろしくね」



「こちらこそ」



母親から受け取った封筒を翔希に渡し、愛陽さんと微笑み合う。

明日から私は、相田愛李になります――…!