「もうそんな話はえーから!私を最後にした理由――…」



「えーわけねぇやろ。はよ決めろや」



「鬼や翔希クン」



「今の俺は担任や」



向かい合う机。

至近距離で見つめ合う私と、GW直前で彼氏となった翔希。

期末が終わり、個人面談。

睨み合う私たちの下にあるのは、未記入の進路希望調査表。



「担任でも、彼氏やろ?」



「だったら先ずは、書いてくれや」



私の成績なら、以前に希望した大学や、大和さんが通うレベルの高い大学にだって行けるかも知れない。

しかし、勉強も孤独を埋める為にして来た事で、今は何となしに維持してるだけ。

目的なしに行ってもつまらない。

それは翔希も知ってる筈。



「永久就職でもえーの?」



「まだ稼ぎ少ない俺でえーなら、そう書けよ」



反対というか、嫌がると思ったのに。

翔希からは意外な答え。

自分から言い出したのに、どう返せば……。



「俺が本物の家族になってやるわ」



口が悪い筈の私はどこへやら。

しかし、私の進路は決定。

“結婚するつもりです”。

ここには書けないけれど、相田翔希の奥さんになる予定です。