顎を持ち上げられ、そのまま頭を固定されてのキス。

呼吸がままらしい私は、相田に支えられて立てて居る。

自分の声とは思えない甘い吐息が漏れる。

ビールと煙草の苦手すら、魅力的に思え、離れても一瞬でまた重ね合わせる唇。

相田の襟元に添えてた手を首に回し、見た目にはわからない距離を更に詰める。

小鳥の啄むようなキスに変わっても、離れる事はない。



「先に戻れ」



「……うん……」



私の気が済むまで付き合ってくれた相田と、時間差で戻るとみんなバラバラで呑んだり、食べたりして居た。



「愛李!どこ行ってたんや!俺の事、教えてやろう思うてたんやで?」



「別に興味ないですよ;;」



「持てよ!この俺様に興味持たない女はこの世に居らんで!」



「絡むなよ、悠陽。ホンマ、酒癖悪いな」



「先生。俺な?落ち着きたい。特定の女が欲しい!」



「だとしてもや!千葉はもう決まってんねん」



「何!生意気やな!」



酒癖が悪いらしい悠陽さんに絡まれ、助けてくれた喜多見の影に隠れる。

呂律のしっかりしてる悠陽さんは、あまり酔ってるように思えない。

むしろ、喜多見が酔ってるように思う。