今日は新しい教科書などを貰って終わり。

私は人混みがかまり得意ではない為、時間差で教室を出ようと、真新しい教科書に名前を書きながら時間を潰す。



「何や。まだ居ったんか」



「今帰ったら、電車いっぱいやろ」



「そういや去年も同じ事、言ってたな」



何か忘れ物をしたのか、戻って来た相田。

隣に腰を下ろした相田は、机に頬杖を付きながら、私をジッと見て来る。



「何やお前。“千葉”って上手く書けるようになったやん」



「そりゃあ、もう1年経ったら書ける」



「双子やのに、ホンマ違うな」



「私と愛純は二卵性双生児」



「……表向きは、な」



――1年前、私の両親が離婚した。

しかし、それは元の形に戻ったと言う事。

母親は、未婚で私を産んだ。

そして、同い年で同じ誕生日の子を持つ……愛純の父親と15年前に再婚。

名前の字体というのかな。

そこが似てたし、私たちは物心が付いたか付かないか位で、二卵性の双子だと周りには言って来た。

再婚と同時に引っ越ししたから、本当に周りは疑わなかった。

何故か相田には見抜かれて、話してしまったけど。