しかし、高校も一緒でクラスも同じ。

同じ中学ってだけで親しみを求めて話したところ、いつの間にか何でも話せる親友となった。



「なぁ。3年間、何で私らだけ同じクラスなんやろ」



「さぁ?そんなん校長たちしか知らんやろ」



私の問い掛けに、梢は興味なさそうに答えた。



「担任だけでも、変わって欲しかったやろ?」



「何の興味もない。まぁ、私の事は、相田にしか手に負えんやろーけど」



「それは言えてるわ」



梢も、ちゃんと自覚あるんだ?

梢の反抗には、教頭ですら1日で匙を投げるほど。

けど、相田は見捨てる事がなかった。

梢がキレて帰ろうとした時、物凄い睨みを効かせて、席に座らせたほど。

チャイムが鳴った為、私は自身の席に着く。

出席番号順。

運悪く、教卓の前。

今になって“千葉”という苗字が憎い。



「おーい。席着けー」



チャイムから1分程でやって来た相田。

引き攣った笑顔をする相田に気付き、何気なく振り返ると、目にハートマークを浮かべる女子が数人。

…アホか、こいつら;;

相田の何がえーの?;;



「千葉愛李」



「はーい」



「また一緒やな」



「なー?最悪やわ」



「そのままその台詞、返してやる。ほな、次……」



出席確認をする相田。

正直な気持ちを発すると、一瞬、睨まれた。

“ひょぇー!”と、わざとらしく目を背け、背凭れに身体を預ける。

やっぱ相田は嫌いだ。