孤独少女~Kiss Me~

――でも、そんな必要はなかった。



「ママって、いつも出掛ける前になって動くから、行くの遅なるわ」



「はいはい。ごめんね」



「まぁえーやんか。それが、ママなんやから」



相田に別れを告げ、曲がり角に差し掛かった私の前で、愛純と手を繋ぎながら、出掛ける母親を見つけた。

愛純の父親が開ける車の後部座席のドアから、嬉しそうに乗り込む2人。



「どないしたん」


「ヤバい……!!」


「おい!;;」



こちらに向かい、動き始めた車。

相田を盾に、息を殺して隠れた。

一方通行で、私たちが居る方ではなく、反対に曲がって行く車。

ようやく気付いた様子の相田は、車から目を逸らした。

頭一つ分大きい相田の胸に凭れ、唇を噛む。

じゃないと、嗚咽が漏れそうだ。

嫌でも震える肩に、相田の手が置かれ、ピクッと反応しながら顔を上げる。



「――…っ!!?」



重なる唇。

噛んでた下唇が吸い上げられた。

…何で、キス……??