無糖バニラ

「そんなこと、男子に言われたことないから……なんて返したらいいのか分かんない……、ごめん」

「翼には?」

「翼?言うわけないよ、そんなの……」


翼の気持ちなんて、少しも分からない。

小嶋くんと話をしながらも、唇の感触が消えてくれない。


「へー、そっか。なら、俺の方がちょっと勝ってんのかな」

「勝つ……?」


何の勝負?

分からなくて、首を傾げるあたしを見て、小嶋くんがニコッと笑った。


「俺、絶対内海に好きになってもらうから」