無糖バニラ

ごくんと一息飲み込んで、すうっと息を吸い込む。


「こ、小嶋くん、あたしね……」

「はい、これ」

「あ、……え?」


すっかり返事の催促だとばかり思っていたから、差し出された物を見て目を丸くした。

手のひらにちょこんと乗せられたのは、……チョコ?

お得用の、大袋にいっぱい個別包装されて入ってある内のひとつ。

なんであたしにそれを……。

頭の上はハテナだらけ。

意味を知りたくて小嶋くんを見ると、


「えっと、内海、朝ごはん食べてないとか言ってんの、聞こえてきたから……」


確かに言ったけど。仁奈に。