「おはよ、仁奈」 「なに、このは。すごい顔」 学校に着き、仁奈のそばにいって朝のあいさつをすると、眉間を指でツンっと突かれた。 眉間にシワが寄るくらいに不機嫌顔なのは、一応自覚している。 「ねー、見て。来る時コンビニで買ってきたんだぁ」 そんなことは気にせず、仁奈は自分の机でファッション誌を広げた。 今日発売の、最新号。 「もう売ってたの?早いね」 「きゃあ!翼くーん!」 あたしの声は、女子の黄色い声でかき消されてしまった。