* ピピッ、ピピッ、ピピッ。 スマホのアラームが、枕元で鳴る。 あたしは今度こそベッドの上で目覚めた。 なんかおかしいと思った……。 部屋から学校に飛ぶとか。さすが夢。 便利だったけど。 ……そういう問題じゃないか。 夢の中で翼が指差した場所を見る。 そこにあるのは、高校の制服。 「夢……」 落胆のため息をつく。 夢じゃなきゃ、翼がこの部屋にまた来るなんてありえない。 夢……。 ポンッと、昨日のキスを思い出した。 夢……じゃない!