あたしはとっさに、胸の上まで掛け布団で隠した。


「何で翼がここにいるの!もう全然うちになんて来なかったくせに。じゃなくて、昨日キ、キ……!」

「さっきからなんだ、お前。寝ぼけてんのか。受験勉強で頭おかしくなったか?」

「じゅけ……ん?あたしもう高校受かったよ」


受験って。高校?は、終わったし。
大学?は、早くない?

そんな姿を見て、翼は気の毒そうにあたしの額をさわった。


「熱はないな」

「ちょっと、バカにしすぎ!」

「早く着替えろ」


翼が指を差した先には、壁にかかった制服。

中学の、セーラー服。

……え?