無糖バニラ

翼は、そんなあたしの姿を、上から下まで見た。


「どこか変?」

「いや、そのエプロンもそれなりに可愛いと思って」


だから、それなりとかって、普通に可愛いって言われるよりもリアルなんですけど。

それって、何かが足りてないってことだよね。

それなのに嬉しいとか思っちゃってる自分はどうしようもない。


「またそんなビミョーな褒め方する。あのピラピラエプロン着てるの見せたら、ちゃんと可愛いって言ってくれるの?」

「可愛かったらな」


ハードルを上げられた。

しかも、これ、着なきゃいけない流れだし。


ムーっとして、あたしはまた自分のエプロンを見た。

それなりに可愛いのか。そっか。

……まぁ、いっか。


翼に手を握られ、顔を上げる。

視線がぶつかって、目を閉じた。

瞬間。


――ガチャッ、リンリーン。


「!い、いいい、いらっしゃいませ……!」


このタイミングでの来客に、動揺しながら慌てて翼から離れる。


真っ赤になった顔を見合わせ、笑った。