無糖バニラ

翼が好きなのは、あたししかいないんだ。

そっか……。


ああ、もうだめ。

翼の服をつかんで、胸に顔を寄せる。

あ、今、ドキッて跳ねた。


「あたしね、翼に嘘ついてたことがある」

「何?」


幼なじみじゃなくても、友達じゃなくても、そばにいられるのなら、それはきっとこういうこと。


「ずっと友達だと思ってるって、あれ……無理みたい」

「俺は、最初から無理だったけど」

「それはそれで、ひどい」


以前のあたしなら、その言葉の意味を誤解していただろうけど、今なら分かる。

速い胸の音が、伝えてくれる。