無糖バニラ

「小嶋くん、あのね、昨日は逃げるみたいに帰っちゃって……。前にアイスおごってもらったお礼になってなかったよね。だからお詫びというか……、なんかしたいんだけど」

「別にいいのに。ちゃんと来てくれたし。案外真面目だね」


案外って。
あたしはどう思われていたのか。

……聞かないでおこう。


「何かある?あたしに出来ること」

「んー……」


小嶋くんは何かを考えるように、天井を見上げた。


自分で言ったくせに、色んなことを想定して、密かにドキドキする。


「あ、じゃあさ、俺にもアイスおごってくれる?」

「え……、そんなのでいいの?」


完全に予想外で、呆気にとられた。


「内海おすすめのバニラがいいな。翼とも一緒に行こう」

「……うん!」


その気遣いが嬉しくて、あたしは笑ってうなずいた。