無糖バニラ

送ってもらう方が申し訳なくなるほどに近い。

家だけが近くても、話さなければ、会わなければ、……どこに住んでたって同じ。


「なんだ、隣の家ってこんな近いのか」

「うん」

「じゃあ、翼が内海のこと気にしてたのって、幼なじみだったからかな」

「どうだろ……」


本当に、気にしてくれてたかも怪しい。

あんな態度をとられてしまったら……。


「ってことは、俺は遠慮する必要は無いのかな」

「?」


何のこと?

そんな意味を込めて、小嶋くんを見る。

小嶋くんは、口元で微笑んだ。


「俺、内海のこと好きかも」