無糖バニラ

そんなことを考えたら、ついさっきの唇のやわらかさとぬくもりを思い出して、瞬間で顔が熱くなる。

翼の唇を見ないように、あたしは少しだけ目を伏せた。


「違う、そんなんじゃなくて……。腕の傷を……翼のせいでしょって言われて、キレちゃったっていうか……」

「……」


翼はきっと、あたしの腕の傷のことは思い出したくないはず。

それでも。


「小嶋くんに言ったんでしょ、自分のせいだって。何回も言ってるでしょ、こんなのもう痛くないし、翼のせいじゃない」

「……俺のせいだよ」

「違うってば!」

「違わない」

「なんでそんなこと言うの!?」

「俺がこのはのこと好きになったから。だから、それは俺のせいなんだよ」