無糖バニラ

ぐすぐすと泣きじゃくるあたしの背中を、翼がぽんぽんと優しく叩く。


「泣くなよ……」

「キスされたのが嫌なんじゃないよ、勘違いしないで……」

「ツンデレかよ」

「ちがう!」


ここにいる。

そばにいる。

もう、離れたくない。


「あのさ」


耳のすぐ近くで、声が響く。

泣いてるのを気づかってなのか、とても優しく。


「なに?」

「お前、今日そこそこ可愛い格好してるけど、小嶋となにやってきたの」


そこそこって。

褒めてないよね、それ。

確かに、友達と出かける時とかの服装と大差ないけどさ。