無糖バニラ

胸の音がどくんと大きく鳴ったと思ったら、言葉の意味を考える時間も与えられないまま、手をぐいっと引かれた。


「えっ、なに?どこに……」

「だから、言っただろ」


繋いだ手が熱いのは、あたし?それとも。


「帰さないって」


視線が重なる。

キスの後。

その先は。

まだ……何かが続くの?


「ま、待って、翼……」

「もう、さんざん待った」

「どういう意味……、あっ」


答えをくれない翼は、あたしの手を引いて、どんどん前に進む。