無糖バニラ



泣きじゃくって、頭の中がぐちゃぐちゃだった割には、ちゃっかりと自宅の最寄り駅までの切符を購入したらしい。

盛大に泣きながら電車に乗っている女の姿は、誰の目から見ても異様に映ったのだろう。

あたしの近くの席には、誰も座ろうとしなかった。


本当に、今日は何しに行ったの……。

膝の上に置いた腕を見る。

この傷のせいで、あんな誤解を招くくらいだったら、ずっと腕を隠していればよかったのかな。

バッグの中で、スマホが鳴る。

小嶋くんがラインで「ごめん」と送ってくれたけど、返信はしなかった。