無糖バニラ

「内海は高いとこも平気なんでしょ?」

「うん。割と好き」

「あれ乗らない?」


小嶋くんが空に向かって指をさす。

それに合わせて、あたしも空を見上げた。

そこには、遊園地の象徴とも言える大きな輪っか。

観覧車。


「……観覧車?」

「行こう」

「あっ、ま、待って……!」


迷う隙も与えられず、小嶋くんはあたしの腕を引いて、観覧車乗り場まで駆けて行った。

途中で後ろを振り返ったけど、知っている人は誰もいなかった。