小嶋くんって、こんな人だったっけ?

強引に話を進めるなんて、らしくない。


「ちなみに、次はちゃんとふたりでのデートね。話なら、その後に聞くよ」

「えっと」

「どこ行きたいか考えといて。ごめん、電車の時間やばいから、最後まで送れないや。気をつけて帰って。じゃ!」

「あっ!」


喋りたいことだけを一息で告げ、小嶋くんは元来た道を走って戻っていった。

何も出来なかったあたしは、小嶋くんの背中に、届かない手を伸ばすばかり。


デートしないと、話は聞かない……?

え?

時間が経ってから事態を理解したあたしは、その場で頭を抱えた。

ど、どうしよう!