真剣な眼差しに、グッと言葉が詰まるけど、あたしは小さくうなずいた。


「うん……、聞いてほしい」

「……そう」


夏なのに、指先が冷えているのが分かる。


「小嶋くん、あのね」

「じゃあ、デートしない?」

「デ、……え?」


どこから、「じゃあ」に繋がったのか。

脈絡が無さすぎて、あたしはパチパチと何度も瞬きを繰り返す。


「昨日さ、アイスのお礼で何かおごってくれるとかって言ってたでしょ。あれの代わりに、俺と次の日曜デートしてくれない?」

「え、いや、あの」

「じゃないと、話なんか絶対聞かないよ」

「え、ええ!?」