無糖バニラ

頭をガシガシ掻いて叫んだ仁奈は、あたしの頬を両手でぎゅうっとつまんだ。


「ひゃ、いたい、いたい……っ!」

「おバカなこのはちゃんは、もっと痛くなんないと分かんないんじゃないのー!?」

「えー!」


ていうか、傷口開く。開くって!


「小嶋くんと付き合えば、芦沢くんのことが好きじゃないように見えるから、嫌われなくて済むとか思ってんの?」

「!」


図星をさされ、あたしは目をそらして小さく頷いた。


「やっぱりバカじゃん。そんなの、小嶋くんにも失礼だよ」

「う……」


本当に、その通り。
だから、あたしは反論もできない。