無糖バニラ

「でも、芦沢くんも優しいよね。このは幼なじみなんでしょ?あんなふうに抱えていってくれるとかさぁ」

「ねー。あれ、めっちゃうらやましかったー!ふたりがただの幼なじみでよかったよ。このはが彼氏もちじゃなかったら許されないんだからね、あんなのー」

「わかる!」


黙って冷静を装って聞いているけど、速くなった鼓動は治まりそうにない。

むき出しになった腕の傷あとが、じわじわ疼いてくる。


ポンッと肩を叩かれ、ビクッと飛び跳ねると、その相手は小嶋くんだった。


「内海、今日も一緒に帰れる?」

「え?あ、今日は仁奈が放課後に何か話したいことがあるって言ってて」

「待ってるよ」

「遅くなるかもしれないけど」

「大丈夫」

「だったら……。うん」