無糖バニラ

なんだ……。

あれ好きなのにな……。

あわよくば買って帰りたかったのに。


「はー……、一段落したぁ」


厨房に続くドアがガチャッと開いて、深く息を吐きながら翼ママが姿を現した。


「ごめんねぇ、急に頼んじゃって。お客様いない内に、ちょっと休憩しない?はい、お茶」

「ありがとうございます」


可愛い桜柄の模様がプリントされているグラスに入った麦茶をひと口。

冷たくておいしい。


「ねぇ、今日バニラクッキーないのかな?前に来た時もなかったから」

「バニラ?……ああ、あれね、元々商品として出してないからねぇ」


……ん?