無糖バニラ

「このはちゃん、今帰り?」

「うん、ただいま」

「暇!?」

「えっ」

「暇だよね!?」

「は、い」


有無を言わさない、切羽詰まった様子に、あたしは思わずうなずく。

すると、すぐに腕を引かれ、パティスリーVanillaの中に引きずり込まれた。


このパターンは、まさか……。


「お願い!助けて!店番してほしいの!」


制服の胸元にエプロンを押し付けられ、予想通りのその展開に、あたしは拒否権を持ち合わせてはいなかった。