無糖バニラ

「あ、アイス食べない?おごるよ」


小嶋くんは立ち止まって、通学路にあるアイス屋さんを指差した。


「そんな、悪いよ……」

「いいから。俺が食べたいだけだから。行こ」

「!」


手をギュッと握られて、あたしは弾かれるようにその手を振り払ってしまった。


驚いている表情の小嶋くんと、視線が合う。


「ごっ、ごめんなさい!手、熱くてびっくりして……」

「……うん。だよな、俺がさっき暑いって話したばっかだったのに、もっと暑苦しくしちゃだめだよな」

「ううん……」


ほら、また。あたしは、小嶋くんにそんな顔ばかりさせてしまう。