仁奈から少し遅れて教室に入ると、仁奈はまた翼の周りの女子に混ざっていた。
先ほどのこともあり、仁奈へ向けられる目が少々厳しめな気がする……。
あたしも、中学の時はこんなふうに見られていたのかな。
ずっと、いつも翼のそばにいたから。
特に気にもしないで、そばにいるのが当たり前だと思ってた。
客観的に見て、初めて気づくなんて。
仁奈、大丈夫かな……。
いつもは女子を徹底的に無視する翼も、仁奈を相手にすると少し様子が違う。
「あの時さー、このはがめっちゃ甘そうなの買ってきてたけど、あれよく飲めたよね。プリンシェイク?だっけ?」
「あー……、うん、まぁ。食いもの捨てたりするの嫌いだし。本当は甘いもの苦手だけど」
「えらーい!」
翼の嘘つき。
ああいうの、大好きじゃん。
自分を好きな女子のことを嫌いなくせにさ。
普通に話しちゃって。
……ふたりが付き合ってしまったら……どうしよう。
仁奈を心配しながら、こんなことを考えてしまう。
やだな……。



