無糖バニラ


その次の休み時間。

あたしは、こそこそと廊下の隅に仁奈を連れ出した。


「やばいよ、仁奈。あんなこと言っちゃ……」

「何で?あたしはただクラスの男子と話しただけでしょ」

「クラスの男子だけど、相手は翼なんだよ。言ったでしょ、あたしのこの傷……」

「……」


仁奈は、あたしの腕を服の上からじーっと見て、


「痛い?」

「え?ううん、今は全然……」

「そう」


仁奈はニコッと笑って、あたしの額にビシッとデコピンをした。


「い、いた……?」

「いいよ、別に。あたしそんなの気にしないし」

「もう、仁奈!」


気にする、しないの問題じゃない。

仁奈までこんなことになったら、翼が……。