無糖バニラ

「ちょ、ちょっと待って、翼……っ」


仁奈と小嶋くんが気がかりで、手を引かれながらもあたしは振り返る。

仁奈が転んで、小嶋くんがそばで驚いていた。


「あっ、仁奈が転んじゃっ……、――ああっ!」

「うわ」


言ったそばから、あたしまでツルッと滑って転んだ。

そのせいで、翼まで氷の上に引きずり込んでしまった。


「い、いた……、ごめん翼……」

「人の心配してる場合かよ、へたくそ」


衝撃で、反射的に閉じていた目を開ける。

あたしが尻もちをつく形で転んでいて、その目の前にあたしの体を覆うように翼がいた。

ち、近い……!