無糖バニラ

スマホを置いて、机にだらんと体を預ける。

翼に大切な女の子が出来たら、あたしはもう一緒にいられない。

朝起こしに来てくれることも、登下校を共にすることも、きっとなくなる。


ちゃんと分かってる。

いつも一緒。
そんなの、ずっとは続かないこと。


「はぁ……」


ため息をひとつついて、顔を上げる。


そういえば、翼の話ってなんだろう。

愛の告白とかだったりして。
なんて。


自分の想像に、自分で笑ってしまう。

……ないか。

翼にとってのあたしは、世話の焼ける幼なじみで、友達。


――ブーブーっ。


「わ!」


閉じたはずのスマホがブルブル震えて、驚いて机から落としてしまいそうになった。