無糖バニラ

「い、いいじゃん、翼。話くらい聞いたら?あたし先に帰っとくよ」


本田さんの用事。

それは多分……、絶対告白。

翼が本田さんと付き合ったりしたら、どうしよう。

そう思わなかったわけではないけど、今は頑張って気を使うことでいっぱいいっぱい。


放課後に翼が告られることは、これが初めてじゃない。


今日は翼よりも先にお店の手伝いを始めてよう。うん。


「じゃあね、バイバイ」


精一杯笑顔を作って、ふたりのそばから離れようとしたら、


「待ってろ」

「え」


翼に腕をつかまれた。


「俺も、お前に話あるから」

「あ、うん……」


今から告白をする女の子の前で、そんなことしちゃダメだよ。

つかまれた腕が熱くて、だけど本田さんの視線も痛くて、顔を上げれなかった。