無糖バニラ

翼にこんな思わせぶりなことを言われたら、大半の女子は確実に勘違いする。

だけど……。


「も、もう!あたしの方こそ、翼のママみたいだね。ねー?翼ちゃん」

「バカ」


コン。と、手の甲で頭を小突かれる。

その様子を、本田さんは鋭い眼差しで見ていた。

夏なのにサーッと背中が寒くなって、あたしはすぐに翼から離れる。


「ねーねー、梢ちゃん、さっきのノート見せてくれない?」

「いいよ。このは、さっき遅れてきたもんね」

「ありがとう」


友達のそばに行って、チラッとよそ見。

翼も、本田さんも、あたしを見てはいなかった。


こんなの、ずっと続くのかな……。